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13回目の松田正平展が始まる。 その前に祝島の風に吹かれたくなった。・・・と言うと、風天の寅さんみたいだが、正平さんが度々スケッチに訪れていた場所を実際に見たいと言うスタッフたちの希望もあり実地見学研修の旅となった。 この瀬戸内の離れ小島は訪れる度に懐かしさを感じる。 港に降り立つと新たな防波堤が築かれていた。 また、「原発絶対反対」の大きな張り出し文字が目に付く。 祝島の目の前に位置する島に建設予定中の原子力発電所がある。当初は島民の賛成派と反対派、半分に分かれて いたが、東北の震災以後島民の大多数も反対派になり中断になったままだという。 漁師の話しによると、この近辺の海は鯛を始め大きな漁場である。建設されれば生態系が変わるのは目に見えているとのこと。 この極めて美しい海の島に、何故原発をつくろうとするのだろうか。 もしも建設されれば世界悪遺産になるであろう。 五月から六月にかけての周防灘は、空の色と一体化し一年で最も美しい季節を迎える。正平さんも毎年この時期に1ヶ月ほど滞在していたという。 正平さんがモチーフにしていた祝島から望む朝日。この光景を見るのが今回の旅の第一目的である。 山口県・柳井港を午前9時30分発の小型船で祝島に10時40分着。 早々、此の島の名所になっている漆喰に大きめの石を埋め込んだ練壁に挟まれた細い路地を散策。道端からひょいと猫が姿を現す事も多い。レンタサイクルで海岸沿いを島の西側までゆっくりと走った。道が無くなると岩場に降り島の最西端まで歩いた。釣り船が二隻静かな波には釣り船が二隻浮いている。島に降り立って三時間、時が停まった。 新しく出来た飲食店や珈琲店へも足を運んだ。どの地に居ても風が心地よく身体がフワッと浮いた感覚。 祝島の宿は現在二軒のみで今夜は民宿くにひろに宿泊。祝島通信をネット配信されたりそれを纏めた本も出版されている素敵な御夫妻が経営されている宿で、明日は正平さんが宿としていたみさき旅館に宿泊する。 朝は暗いうちから海へ向かった。 雲ひとつない空。振り返ると山の上にはくっきりとした月。空がしらじらと明るくなっていく。オレンヂから茜色へと刻一刻と空と海、海鳥たちも染まり、小魚が時折はね、海鳥が水面を飛び始めた頃に太陽が姿を見せ始めた。 翌朝も夜明け前から海へと向かった。今朝はおぼろげな月が出ていた。 前日のようなくっきりした日の出ではなく、空と海全てがマーブル模様に染まりゆく朝焼けを拝んだ。 それぞれの朝日が正平さんの描く絵とリンクした。 祝島の人口は年々減少し、現在は350人ほどだという。この美しい島を守る事は容易なことでは無い。 祝島を歩くと正平さんの描いた港風景や人物を思い、正平さんの絵から祝島を思い出すことも多いであろう。 八十歳になるというみさき旅館の女将さんからも正平さんとの思い出話しを沢山伺った。 「よう来んさった、これも正平さんとの御縁じゃ。正平さんも喜んどるよ」 別れ際に港で手を振りながら見送ってくださる姿が愛おしかった。 (一)
by asobijyutsu
| 2019-05-28 13:01
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