阿曾美術初となる「田嶋健太郎展」が十二月五日より十二日まで
開催中です。
今回展示するのは、七か月かけて制作をした十点。
画家にとって、技術や経験値も大事でしょう。
けれど、最も大切なのは、描き手の「絵画」というものに対する、純真さ。
そんなことを想わせてくれる画家です。
誠実に、丁寧に、作品と向き合われているのが画面越しに伝わってきます。
「絵が好きなので、曲げたくないものがある。
じっくり、しっかり、自分が描きたいものだけを描いていきたい」
「人間の感情の中で特にかなしみに目が行く。
だからこそ、幸せな絵を描きたい」
と語る田嶋氏。
田嶋氏のお話を聞いていると、絵画とは本来、傷や欠如を昇華し、力に変え、描いていくものなのかもしれないと
思いました。
そうやって生み出された作品だからこそ、同じくかなしみや欠落を抱えた誰かの心に響く。
心と心の共鳴は目には見えないものですが、今展で、そんな素晴らしい出会いをいくつも目にした気がします。
とても魅力を感じる画家さん。当画廊との巡り会いに感謝です。
実感・質感はやはり実際に対峙して頂かないと伝わりにくいと思います。
ご来廊お待ちしております。
(光)